アイドリッシュセブンとドルオタと、心の分離と理想のアイドル【アイナナ本編3部初見感想】

アイドリッシュセブンアプリ メインストーリー1〜3部のネタバレを含みます
※すべて個人の感想です

 

 

 

 

 

 

 

 


「3部を見るときは気持ちを明るくして インターネットから離れて見てね」

 

 

 

 

 

 

 


というアドバイス(意訳)を、ムビナナ初見感想を世に放った時に目にした。
ここまでTwitterでストーリー履修の実況をしてこなかったのはこの助言を参考にしていたからだ。

そして、その意味がよくわかる3部だった。
ありがとう。これを読んでくれているかわからないけど、あなたのツイートです。


これ以上そのことについて直接触れることはしないと思うけど、
なるほど確かに、これは十龍之介というキャラクターをアイドルとして推すにあたっては非常に噛みごたえのある、複雑な内容だと思った。

 

 

※3部履修時になってようやく「気になったところはスクショとればいいんじゃん!」となったので今回からスクショがある。

 

ちなみになんでこんなに感想を書くのが遅いかというと、暇さえあればムビナナを見にいってしまっているからである。

いつの間にか2ヶ月でDAY24になっていた。ムビナナ、何回見ても本当に良い。

 

 

 

▲3部読み終わってから見るこの2部のエンドカード

 

▼目次

例に漏れず今回も長い、ごめん。

 

 

 

前提

今回は前提は短いよ。

3部のあらすじ

感想に入っていく前に、先に3部のストーリーのおさらいを置いていこうと思う。
おそらく履修済みの人の中には「3部ってどこからどこまでの話だっけ…?」となっている人も多いと思うので。

 



■3部メインストーリーざっくり内容

・大和の秘密、三月との喧嘩
・ŹOOĻ登場
・十龍之介とセクシーセレブキャラ
・月雲了登場
・Re:valeのマジ喧嘩
・Friends DAY、合宿
・花巻スミレとのスキャンダル
・TRIGGER誘拐事件、八乙女プロダクションとインディーズ
・チャリティテレソン Friends Day
・「あなたをコントロールさせてください」事件
・Re:valeベランダ事件
・MOP


 

その他にも陸の「訴求力すごすぎて吹奏楽流行っちゃう事件」とか壮五の「曲作ってみたい事件」とかたくさんたくさんいろんなことがあった。
なんかこうやって振り返ってみるとめちゃくちゃ内容濃いな…濃いっていうか、多い…

前回エントリで宣言した通り、時系列で感想まとめるのをやめようと思う。
3部からはいよいよ群像劇らしく登場人物もエピソードも入り組んできていて
パラレルな展開が目白押しなのでそれぞれ全てに感想を書いていたらきっと10回学位がもらえるくらいの卒業論文が書けてしまう。
書きたい内容を掻い摘んで書くね。

 

 

 

3部を読むまでの話

3部、たぶんフラットに見たら物語コンテンツとしてアイドリッシュセブンが真価を発揮してきた頃のめちゃくちゃおもしろ展開なんだと思う。
同時多発的に様々なことが起こったり繋がったり対比があったり、
群像劇として熱い展開なんだと思う。思うよ。

でもまあ、ムビナナで愚かなまでに十龍之介というキャラクター沼にダイブした自分が、
これをフラットに見られたかというと……

………………見られたと思う??

 

↓あれから愚かなまでにメロメロになっている十龍之介との出会い

senobiiii.hatenablog.com

 

ムビナナ初見感想に対する反響然り、周りの先輩たちの反応然り、
3部で十さんに何かネガティブなことが起こると言うのは明らかだった。

▼ムビナナ初見直後の先輩とのLINE



誰が楽しくて、愛おしくて仕方がない存在が傷つき苦しむ姿を進んで見られようか。
そんな気持ちがありながらも、その実、ムビナナであんなに華麗にBEAUTIFUL PRAYERを踊るTRIGGERの姿を見ているんだ、ハッピーエンドがわかってんなら大丈夫でしょ、と、どこかで高を括っている自分がいた。愚かだ。

全記事1・2部感想エントリにも書いた通り、
次の日に2回目のムビナナを控えていた私は足早に3部のストーリー履修を進めていった。

 

▼一つ前のメインストーリー感想

senobiiii.hatenablog.com

 

あなたは、たとえば愛しいペットや宝物が目の前で石をぶつけられ傷付く様を、平常心で見ていられるタイプだろうか。
「確実に元気になるから」と言われていたとしても、怪我をして這いつくばっている姿を想像して、普段通りの自分の感覚でいられるだろうか。

みんなムビナナ初見感想のとき「こいつ今からあのストーリー読むんだな〜」って思いながら読んでたってこと……?おっそろしいんだけど。もう何も信じられない。

そちら側は楽しいか?愉悦か?

 

 

 

 

まず二階堂大和の話をさせてくれ

ほどほど、演技派、客観的、クールな見た目のお兄さん

先に二階堂大和の話してもいい?いいよ。

3部の前半は彼の秘密を知ることができるパートだった。
前回1・2部感想の時点で「二階堂大和の闇、知りたいような知りたくないようなだ」と言っていた矢先の展開だった。

大和関連で頻出する「復讐」の内容は、「身内が殺された」とかそういう王道の話では全くなかった。
愛妻家で有名な大御所俳優の隠し子なんだって。確かにそれはIDOLiSH7に被害被る背景だわ。

IDOLiSH7を愛しているほど言い出せない。大和のいじらしさと臆病さがよくわかる展開。読み手としてはめちゃくちゃ熱い。おい、この物語、めちゃくちゃ面白くなってきたな?

一人っ子大和くん、三月お兄ちゃんに全然相談しない。相談しなさい、お兄ちゃんに。
心のオーブントースター・六弥ナギの効果も大和融解には効かず。
大和の秘密に壁を作ってるのは「IDOLiSH7を守る」という正義なので、大正義六弥節も今の大和には響かなかった。

六弥セラピーも効かないとなると、誰がこのアイナナの年長一人っ子を攻略するんだ。
オレ(紡)か?と思っていところに、ミラクル魅惑のお兄さん16人中最年長の千センパイが登場した。
これは2部で後輩たちにしっかりフォローされてしまったRe:vale先輩のスーパー尊先*1ムーブくるか?

 


アイナナ年上組大和三月の喧嘩、めちゃくちゃよかった。

 

 

「あんたが犯罪者だったとしても、今さら、嫌いになんてなってやるかよ!」
「あんたにしてもらったこと忘れるもんか!」

 

 

号泣。

 

三月、その見た目でそんな男前なんだ。そんでアイドルが大好きでアイドルに憧れてたんだ。まじでめっちゃいいキャラしてるな。

今現在、ムビナナのIDOLiSH7パートではオレンジと緑のペンライトを振ってる。
アイナナの推しは大和さんなんだけど、どうしてもオレンジのペンライトが振りたくて。

年上コンビの喧嘩におろおろする年下組がかわいい。
年下組が「あの二人大丈夫かな…?」心配する中しれっと収録の仕事をこなしながら喧嘩を続ける大和と三月がすっごく良かった。
「仕事に支障は出さない」という正義感のある喧嘩が成熟したメンタルとして表現されてる気がする。1・2部でフォーカスが当たりがちだった年下組との対比感じて気持ちいい。

あとそんなお兄ちゃん二人が冷戦繰り広げるなか「僕が未成年のみんなを守ってらないと、しっかりしないと」って頑張る壮五、めちゃくちゃいいやつ。大好き。

真ん中っ子壮五くん、一見聞き分けがよくて素直なように見せかけてクレイジーなところも、
いざというときには自分がお兄ちゃんになろうとするところもマジで中間子の働きだ。いい子。MEZZO”は二人ともすごくいい子だ〜。

アイナナは本当に兄弟で家族って感じがする。
アイナナにまつわるストーリー進行、特に"愛"って感じで気を抜くとすぐに泣けてしまう。

 

 


突然、谷底に突き落とされる

『めちゃくちゃ好きなキャラ造形だな二階堂大和』と思って二階堂バレーの崖の下を覗いていたところに、

ドンと背中を押されて谷底に突き落とされる事件が起きた。


大和が三月と喧嘩をして寮を家出する。
そして撮影現場で一緒だった千の家に居候をし始めた。
自分の痛いところをざくざく抉る千の言葉に耐えかねた大和が掴みかかった後のことだった

 

 

 

 

 

 

 






 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

ごめん、何してる?

 

え、これ、何してる?
なにしてるこれ?

ちょっと待って、大和さんメンタル追い込まれるとそんな感じになるの?
お芝居と自分の境界が曖昧になってるってやつ?役が抜けないとかそういうやつ?

そういうの、
すっっっっごい好きなんだけど・・・・・!?

 


いや、それはそうとして、まじでこのシーンの状況が理解できずに会話ログを開いて何度も読み直した。
わからない。掴みかかった後どうやって千を黙らせたのかも、
なんで大和がこんなに倒錯しているのかも全くわからない。

一番わからないのは千さん、あなたなんでこんなことが起こっても取り乱さずいつもの落ち着いたテンションでいられるんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 




びっっっっっっっっっくりした。


よかった。本当にびっくりした。
私は能動的には腐ってないんだけど*2「まさかキ、キスで黙らせた……!?」と思わずにはいられなかった。
え、思うよね?みんなちょっとは思うよね?

そんなBL展開があるわけないとは思ってたので「手で口塞いだとかだよね…!?」とは思ってたけどさ。……ね!?

先述の項で「アイナナ大人組の大和三月の喧嘩、めちゃくちゃよい。」とか冷静に書いてるけど、
実はそのシーンはこのふたつのシーンの間にあったので当時は到底頭に入ってこなかった。
いやいやいや、首絞めてるってネタバラシせずに放り出さないでよ……こっちはめっちゃ心臓バクバク言ってたんだからさ……

 

 

 

………………いや、首絞めてる!?

 

 

 

 

ま、待って、大和さん千の首……絞めたの!?

 

 

おい、二階堂大和、急にぶん殴ってくるな。

執着・じめじめ・ヤンデレ属性好き、クリティカルヒット

やれやれ系お兄さんがワッと頭がいっぱいになって衝動で首絞めしてしまうなんて、
しかも自分の役柄と自分を倒錯するという(アン)ハッピーセットで、
その上その相手がミステリアスセクシーな銀髪細身に泣きぼくろの色男……?

アイドリッシュセブン3部、とんでも無い爆弾落としてきやがった。
ズガン!って自分が叩き落される音がした。同時に千にも落ちた。

千はRe:memberから入ってたから精神的に不安定なイメージがあったんだけど、
この巻き込まれ方、この自体を悪化させない黙り方。

首まで絞められた相手に「大丈夫」「頑張ったね」「安心させてあげな」って言える年上ムーブ。
う、好き………………………………。

あの高校生のダウナー系クソガキだった男が、休日に家から出るのに一大決心がいるインドア男が、
レインボーアリーナであんなに激しく踊って、っていうか振り入れをして立ち位置覚えて、王子様みたいな衣装に着替えてるって……最っ高じゃん……
やばいムビナナ見たい。今無性にRe-raise が見たい。

大和と千、好きっすね………。

 


旧Re:valeよ…

事務員、お前……

で、大和の話が一段落しそうな頃、万理と千が邂逅していた。

 


う、千と話す万理、めちゃくちゃ””良い””な……?

キミ、諦観抱える意地悪なお兄さんじゃん………
声色も普段と全然違うじゃん。声ひっく。
アイナナに出会う前、散々周りに「お前はたぶん万理のこと好きだよ」って言われてたけど、
ここに来てやっとその意味がわかった。これは、好きだね……。

なあアイドリッシュセブン、好きキャラのフルコースか?
次から次へと性癖スイッチを押してくるんじゃない。性癖スイッチってそんな簡単に押して良いものじゃない。このままだとアイナナの無い人生に戻れなくなるだろうが。

 


日常回っていいよね

キラキラ陽キャ運動部


運動部のにこにこ仲良し感、めちゃくちゃ好き。
爽やか陽キャボーイの眩しさ、他者を愛することが当たり前みたいな優しさがあって最高。
でも心が健康で自分が満たされてるから思ったよりドライで誰も依存させてくれないんでしょ、最高〜!
運動部好き。アイナナは好きな組み合わせが多すぎてすごいね。

とか思ってたら、ここでもちっちゃい爆弾落とされた。

 

 



この非常に何気ない読み飛ばしそうになったシーンで"ひらめいた"ので、後でその話するね。

 

 

 

頼むからお前らもう一生合宿してろ

日常ほのぼの回で言えば合宿とかいう夢の展開もあった。
12人が同じ釜の飯を食べてわちゃわちゃしてる姿には至高の幸せがあった。

ずーっとこういうことしててくれ〜と思ってたら陸がNANAばりの
「でもそんな幸せな時間は長くは続かなくて……」みたいなモノローグ始めたから
心臓縮み上がっちゃったな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

偶像

 

 

で、なごやかな話はここまでにして、TRIGGERの話をしよう。
ŹOOĻの話はTRIGGERのあとにするわ。

 

 

アイドルとプロデュース

 

アイドルは職業だ。

歌って踊り、芸能活動をし、商業を動かす専門職だ。

加えて、アイドルとはメディアだ。と思ってる。個人的には。
壮大なプロデュースチームの作品が乗っかるアウトプットとして、媒体として存在している。そんな側面がある。と思ってる。

 

おそらく、”アイドル”とは、そこにいる人間そのものを指す言葉ではない。

タレントマネジメントを行う芸能事務所があり、マネジメント実務を行うマネージャーがおり、
コミュニケーションを設計するプロデューサーと、マーケティングチームと、アイドルを整える現場スタッフと・・・
その全てが集まって最終的に私たちに見えている”アイドル”を作り出している。

そういう側面があるのにも関わらず、アイドル本人もアイドルという言葉が指すのは自分自身だけだと思ってしまう。だからアイドルは世間のイメージと自分自身のギャップに苦しむし、
苦しむという前例があってもキャラ付けを行う。
でもそれはネガティブなことばかりではない、プロデュースは人を楽しませるエンタメだ。
誰しも経験したことのある「人によろこんでもらうことの気持ちよさ」もあるし、それが多くの人に受け入れられれば自分やチームの夢と希望がかなっていく。

 

アイドルはメディアだけど、媒体だけど、ハリボテじゃない。

私たちは彼らを通して「プロデュースチームの作品」を見ているけれど、
応援したくなるその気持ちの矛先はいつだってそこにいる、職業アイドルに従事している彼ら本人だ。
まったく同じプロデューサーがついたって、ましてや全く同じアイドルユニットに在籍していたって、
私たちファンは彼ら本人の佇まいを見て、発言を見て、生き様のようなストーリーを見て好きになる。

それが本人自身が持っていたものなのか、プロデュースされた作品なのかは誰にもわからない。
そこをはっきりさせることにあまり意味はなく、ただ我々ファンは「“十龍之介という人間”を応援したい」と思う。
最初っから“アイドルの後ろにいるプロデュースチームも含めて”好きになる人は少数派だろう。存在するとは思うけど、何十万人といるアイドルオタクの大抵は前者だ。

だから「アイドル本人の役を担っている個人」が重要なのだ。
プロデュースチームの力とアイドル本人の力は掛け算のようなもので、本人が魅力的であるほどパワーは大きくなるし、本人が1に満たなければ威力は減少する。もちろんこれは裏方チームにも同じことが言える。

そう、プロデュースとタレント本人、両方あってのアイドルだ。“アイドル”としての結果は、アイドルその人個人では動かせないこともある。
それでも本人たちは「自分がダメなんだ」「自分がすごいんだ」と思ってしまう。自分の顔、自分の名前、自分の人生を切り売りして生きてるから。

一方で、自分の名前を呼んでくれるファンたちが自己像とあまりにかけ離れた偶像に熱狂する姿を見ると、自分自身の持つ素地が、努力が虚しいのではないか、プロデュースだけでいいんじゃないかと想ってしまう。

 

▼戸惑いながらもプライドを持ってステージに立ってるところ、まじで最高。そのプライドと戸惑いがセクシーです。



 

 

ファンは“アイドル本人”を見て好きになり、そのファンにまた“プロデュースチームの作品”を訴求する。
そしてファンはまた”アイドル本人”を好きになる。
商業的には噛み合っていても、人間の気持ちや認識としてはやや噛み合ってなかったりする。
それがアイドルの面白くて味わい深いところでもあるけど、
時に「世間と自分のギャップ」としてそのアイドルの気持ちに皺寄せを寄越す。

…という、アイドル商業文化の一部要素にフォーカスを当てるストーリーなんだと思った。アイドリッシュセブン3部というコンテンツは。

 


アイドリッシュセブンのメインストーリー、「プロデュースする大人」や紡が出てくることで、この「アイドルとプロデュース」の構造をシンプルに表現している。
物語の焦点はアイドルの彼らだけにあてていても、大人がトラブルを持ってくることで
うまくこの媒体構造の歪みを本筋に落とし込んでいるな と感じながら3部を読んでいた。

 

 

「こういうアイドルが1番好き」っていうタイプのアイドルがいる。

"自分のファンのために精一杯格好つけてくれるアイドル"だ。
普段格好つけなさそうな、あまり自分のことを格好いいと思ってなさそうな人柄のアイドルが、パフォーマンスとしてしっかり自分を魅せる姿が大好きだ。
たぶんアイドルをしていなければそんなことしてなさそうな人が、アイドルという選択をしたばかりに、自分のファンが喜んでくれるばかりに、ステージの上で歌い踊り表情を作る姿が大好きだ。ミラーの前で自分の立ち姿を、四肢の角度を研究し馴染ませてると思うと堪らなくなる。自分が撮影されたものを見て自分自身の魅力的な見え方を考えてると思うと、胸がいっぱいになる。

ファンのために格好よくしてくれてありがとう。その想いが最っ高にかっこいい。

 

 

ゴシップ

ゴシップネタが入ってくるなんて思わなかった。しかも自担と置いたキャラクターに。まじかよ。自分の最も苦手とする話題じゃん。

花巻スミレとのあれそれは、ゲームユーザー視点ではすべてを知った上でストーリーを追っていく。でも私の感情はどちらかというと「アイナナ世界のTRIGGERファン」に近かった。

何も語られないまま事態だけがこじれていく。好きなアイドルのゴシップって、話題性が大きいほどやるせないような、なぜだか恥ずかしさに似た気持ちになる。
「最近話題のあれ、好きだったよね、ファンから見てどう思うの?」なんて、これまで100回は聞かれてきた。

自担を信じたい。でも自担は大抵、何も言わない。
そう、何も言わない方がいい。
私はこういう時に「何も言わないでくれ」と思うパターンのオタクだった。普段より公式以外からの情報をシャットアウトするタイプだったので、週刊誌がすっぱ抜こうとリークがあろうと「ふーん」という態度を貫き「まあ、非公式情報は無いもの同然」と唱えるタイプだった。だから公式になにかコメントを出されてしまうとその理論が崩れてしまう。
「非公式情報は関係ない」と割り切るのは、推しアイドルを信じるという気持ち以外の何者でもない。それを崩さないでいてほしい。

なにも言わないTRIGGERに安心した。
安心したと同時に、完全に「なにも言わない自担を信じたい」というTRIGGER担の気持ちになっていた。
ゲーム上は全部知っているはずなのに『真実については何も知らず、ただこれまで自分が見てきた自担のパーソナルが虚像ではないことだけを切に願って世間が彼のゴシップに飽きるのを待っている』ファンの気持ちになっていた。

 

これ、全然フィクションとして捉えられなくてつらい。物語としてつらいというより、変な形で感情移入していてつらい気持ちだ。
TRIGGERファン、アイドルの十龍之介ファンとしてつらい。
完全に作品と自分の境界が曖昧になっている。

 

…ということで、私はここで一度リアル休憩をした。
朝からぶっ続けで読んでいたアプリを一旦閉じ、ゲーム実況を見ながらお昼ごはんを食べて気を紛らわせていた。

アイドリッシュセブンのストーリー、やべえ〜。

 

ノンフィクションフィクション

お昼ごはんを食べていたら少し冷静になってきていた。
いや、なにをフィクションに感情持っていかれそうになってんねん。
「これ心がいたーい!たのしー!^^」ってやれる内容ならまだしも、マジ心痛めコンテンツはちょっときついわ。

冷静になると、私が「知ってるな」と思うアイドルの世界と大きく違う点が一つあった。
芸能界がシンプルなところだ。特に交友関係がシンプル且つ狭い。
アイドリッシュセブンというコンテンツはとにかく16人のアイドルとその周辺の業界内人物に人間関係が閉じているように感じる。

16人の地元の友達さえ出てこない徹底ぶり。物語の本筋に関わってこないのであれば当人たちの肉親の顔さえ出てこない。

そこが違う。私は芸能界にはさして…というか1ミリも詳しくない一般人だが、それでもアイドルオタクをやっていると知ること、推察できることはたくさんある。
その中でも交友関係という点においてはかなりデフォルメされ、クリーンでイノセントな感じになっていると思った。

……ということを、強く念頭に置いてこの続きを読もう。
私の知ってる芸能界ではない。大丈夫。

 

なんとか半分くらい気持ちを切り替え再び読み進めていくと、幸いなことに超フィクションな展開が待ち受けていた。

 

TRIGGER、誘拐された。

 

こんな展開ありぃ?アイドリッシュセブンってアイドル見守りゲームですよね??
超サスペンスでちょっとおもしろくなってきた。
さっきとは種類の違うハラハラ感。嫌なハラハラではなくドラマを見てるようなドキドキがある。いい感じだ。どんどん現実から離れてくれ。
TRIGGERには申し訳ないが、ドラマチックになればなるほど返って平常心で見られる気がしていた。

 

 

 

 

 

“願いはShine On The Sea”

 

 

 

 

 

 

ごめんやっぱ、無理かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行くな。

 

 

 

 

 

え、嫌だ。やめてくれ。ほんとにやめてほしい。

待ってこんなの、テレビの前のTRIGGER担の私はどうやって自担を見たらいいわけ。
胸が八つ裂きにされそう。
自担への心無い言葉なんて自分への誹謗中傷より聞きたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おい!!!運営!!
てめえ!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレイしながら「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜??」って声出た。
スクショも忘れるくらい動揺した。(上のは感想エントリのために撮り直した)
なんちゅう演出だよ。おい、まじで。これはなんつー演出だ。

 

 

ドルオタの筋肉、ログアウト。

 

あまりの受け入れ難さに感受性的な何かがシャットダウンし、「なにこの憎い演出〜!」と錯乱めいた感想だけが残った。

こんなシーンに立ってるのが自担だなんて、普通に考えて耐えられるわけないだろ。
こっちはレインボーアリーナで10年ぶりの担降りしてんだぞ。
絵に描いたような恥ずかしいまでのぞっこんめろめろで、心の全部使って推してんだぞ。
生活投げ打ってんだぞ、生きてもいない存在に本気で幸せになってほしいって思ってんだぞ。
布教してきた友人にさえ「ごめんこんなにハマると思わなくてちょっと引いてる」って言われてんだぞ。

この演出考えた人出てきな〜?どんな会議してこの演出決めたの?ねえ。

俺たちが能動的にアクションしないと進めないストーリーライブとかいう機能でプレーヤーを物語の中の存在にするのやめろ!
傍観者でいさせろよ。ゲーム作るの上手かよ。ゲーム体験として二重丸だわこんなん。

そんで歌がうめえんだわ十龍之介よ。しっかり高らかにいい声で歌い上げんな。いや歌い上げろ。

これこの曲のレコーディングのとき佐藤さんはどんな気持ちでどんなこと考えて音入れしたわけ?
オタクはだいぶ噛み砕くのにハードル要ってるわけだけど、そこんとこどうだったの?
もう声優さんとかのメタ的存在に考えを馳せてないとやってらんねえよ。

そんでまた曲がいいんだよなあ〜〜?(キレ)
ストーリーと曲をリンクさせてくるの本当に……現実のアイドルではもちろん今までのゲーム体験の中でも感じたことない気持ちにさせられるから毎度攻撃力が高え。
でもストーリーライブやりながらだと歌詞に集中できないからもどかしい。

 

 

 

泣かせにくるのやめて。

 



次の事件出すのやめて!?

 

早すぎんだろ、ストーリー進行がよ。
まだ飲み込めてねえんだわ。
さっきの一人オンステージで世間がTRIGGERに対してどう思ったとか、今後のTRIGGERがどうなるかとか、そもそもŹOOĻってこのままヒールで進んでいくわけ?とか、全部宙ぶらりんのまま次のトピック放り込むのやめて?

ずーっと崖上の平均台の上に立たされてる。なーんも安心できない。
ぜーんぜん一息つけない。
自担がどうなったか気になって気になって、待ち望んだナギの過去話題っぽいのにほとんど話が頭に入ってこない。

群像劇楽しいなァ??

 

 

 

「ああTRIGGERって、たぶんこの物語においての気高さと再生の象徴なんだろうな、最初からこうなる前提で作り出された存在なんだ」と、メタ的な認知をせざるを得なかった。
群像劇の中でどの物語軸を背負ったパーツになってるか……これがこのキャラクターたちの役割なんだ、というつまらん思考に脳みそが支配されていく。

キャラクターが配置される記号であり物語を動かすためのパーツなのは全然問題ない。むしろいい。おもしろいよね。それがこういう作品の良さってやつだよね。

キャラクターは伝えたいことの記号でいい。人間性がしっかり確保されていて、あたかも生きてるかのように一人ひとりをとても丁寧に描いてくれてる、すばらしく良質な群像劇だと思う。人間讃歌、大好きだ。

自担じゃなければね。

 

ドルオタの筋肉、再びログイン。

 

TRIGGERのデビューは知らないし、彼らがどんな努力をしてきたかもわからない。
でもきっと、それこそ血の滲むような努力と惜しみない感謝と考え抜いた戦略で寸分の狂いもなくアイドルを貫いてきた彼らの、
TRIGGERという作品に二度と落とせない土がついたことがやるせなくて悲しくて仕方がなかった。
ショック、という言葉がピッタリかもしれない。

受け入れ難すぎたのか、涙腺ゆるゆる人間のくせに一連の流れの中で少しの涙も出てこなかった。なんかこう、実感が湧かない。
「群像劇としておもしろいよね」っていう気持ちと「自担のこんなの見てられっか」という気持ちの悪いとこ取りをしてる。
つまり、あんまりストーリーとしての面白さの享受も、どっぷり感情移入してだばだばに泣くということもできてなかった。心が防衛本能働かせてる。活字の上を目が滑る。

3部、思った100倍難しい。

 

 

2008〜2015年頃のアイドルブーム以降、アイドルはストーリーコンテンツだということは今では国民の周知に至るところであると思うのだが、例に漏れず私ももちろんアイドルたちの紡ぐストーリーや歩む人生を愛していた。

特に、見方によっては悲劇的なストーリーを背負っているようなユニットを応援してきていたことがある。その悲劇に惚れた訳ではなく、たまたま好きになった人がストーリーを背負っていただけなのだけれど。

悲劇がアイドルに何をもたらしたのか。そこで彼らは何を考えたのか。そこから這い上がるために何をして、何を捨てたのか。あの時があったから今がある。逆に、あの時がなかったら今頃どうなっていたんだろう。どこまで行っていたんだろう。

そんなストーリーを追って心を使って考えに耽って尊さを噛み締める、そんな応援をしてきていたし、なんだかんだそれが好きだったんだと思う。で、これが転じて今では「もう戻れないあの頃」という響きにグッとくる性癖をしている。

 

でも自分は、”ストーリーを背負わず”ステージに立つアイドルの姿が1番好きだ。

どんなストーリーを背負っていても、ステージに立つ時には悲しいそれは袖に置いていく。胸にしまっておく。

ファンに自分たちの姿を見て心を痛めて泣いてほしいわけでも、「だから私たちが支えなきゃ」と思わせたいわけでも、「頑張ったね」を引き出したいわけでもない。
「かっこいい自分たち」「キラキラアイドルをする自分たち」を見て喜んでくれ!と溌剌とした顔で、きめきめの顔でスポットライトを浴びる姿が好きだ。

「”ドラマチックを演出しない”ドラマチックさ」を選択してくれる。そういう演出が、選択が憎らしいほどメチャクチャに好きだ。

活動再開のシングルに、フルスイングではなくチャンカパーナを選んだ彼らが本当に本当に本当に、本当に大好きだった。

 

TRIGGER、言い訳をしないアイドル。

途方もないストーリーを背負った彼らが、その文脈の一切をかなぐり捨ててレインボーアリーナでBEAUTIFUL PRAYERを歌い踊ってるんだと思うと、

待って、めっちゃ、大好きかも。

 

まさかこんなアイドルだとは思わなかった。まさかこんなに自分に刺さるアイドルだとは思わなかった。つなしさんのただイケてるパフォーマンスにやられただけだったはずなのに。

 

TRIGGER、胸が苦しくなるくらい好きだ。

ただただひたすらに格好つけてて、ストーリーなんて一切なくて、「これが俺たちのブランディングですけど」みたいな顔をされたら、それはもう自分にとって理想のアイドルすぎて戻って来れなくなるかもしれない。たぶん戻って来れなくなってる。

ああでも、繰り返しになってしまうが、それでももし、TRIGGERに土がついてなかったらどうなってたんだろう。
最初からシナリオは決まってるし、現実よりあり得ない「もしあの時がなかったら今頃どうなれていたんだろう」なのに、そんなことを思わずにはいられない。

 

結局、こういうアイドルに惹かれるんだな、自分……………………。

アイドリッシュセブン、どこまでも彼らが本当にいるアイドルかの様に錯覚させてくる。手強いゲームだ

 

 

終わらないアイドル

「スポットライトを浴びている僕らが好きだったファン」

個人的に、アイドルはできるだけ遠くにいてほしいと思うタイプだった。

「同じ生きてる人間」ということに気がついてしまうと、その一人の生きている人間が悩む時、苦しめているのは他でもない我々ファンがいるからだ、と気がついてしまうので。

だからそれに気がつかないくらい、アイドルには遠くにいてほしいと思うタイプだった。
自分個人に向けたファンサはいらないし、認知もいらないし、目撃情報もいらないし、ただ広いステージの上で尊ばれていてほしい。

事務所から独立したTRIGGERが再始動するシーン。雨の中でIn the meantimeを歌って踊るシーンで、どうしようもないくらいキツい気持ちになった。

ああ、私は、この時期のTRIGGERのことを推すことはきっとできないんだろうな。

私はきっと、雨の中で踊るTRIGGERを見ることができない。
ライブハウスで踊るTRIGGERのことを見ることができないファンだったと思う。

「まだ歌ってほしい」「まだ踊ってほしい」という気持ちはあっても、きっと、『本人たちが望まない形で』煌びやかなステージより自分の近くに来ることになった推しアイドルを見ることができない。あきらかにキャパの合わない会場でライブをするアイドルを本気で追いかけることは、きっとできない。

CDは買うだろう、インタビューは見るだろう。それでも、事務所から独立した直後の現場には、きっといけないファンだったと思う。
現場に行ける他のユニットを推し始めてるかもしれない。想像に容易い。

自分のファン心理の残酷さを見せつけられてるみたいで、きついわ。デビュー組好きの業をまざまざと見せつけられた。

たぶんムビナナから入ってなかったらこの辺りのしばらくはストーリーを見るのが嫌だったと思う…たぶん。
負けずに立ち上がらんとするTRIGGERはかっこいいけど、それよりもファンの残酷さが胸に突き刺さる。

ゲームのアイドリッシュセブンファンとしても、TRIGGER十龍之介担としても、ムビナナ出の新規で良かったよ。

 

 

 

 

このシーンのつなしさん、めちゃくちゃ家長性が出てて好き。
「ごめんなさい」と謝れることは素晴らしいことだけど、何度も謝ることが必ずしも正義ではない。行き過ぎた謝罪は返って「許してほしい」という保身の意味も滲んできてしまう。
許されないこともある。許されないことが結果的に一番良い形なこともある。

1〜2部感想でも書いたが、ジャッジする人であり「許す/許さない」を繰り返してきたつなしさんにとって、過度な謝罪で足を止めることは何よりも悪だ。
おそらく二十歳そこそこまで実家にいた彼がどの様な家庭環境にいたかは明らかにされていないが、きっと小さな家長として「ただ謝り続ける」だけで問題が解決してきたことは一切なかったんだと思う。
そんな感じのことが読み取れるシーンでめちゃくちゃ大好き。

3部、十龍之介のいいところが最高に悪い形で物語に絡んできてるな という内容だった。
正直それが一番しんどかったんだけど、でもこの一言で救われた気がした。
キャラ造形が丁寧で命が助かった。同時に、キャラ造形が丁寧すぎて、キャラクターを一人の人間として愛しすぎてしまって命が何個あっても足りない。
作者のペンひとつで心がころされてしまう。

 

 



八乙女楽、どうしてそんなことが言えるんだ。
小さい頃からステージに立つべく育てられて、トップアイドルやって、七光だなんだを努力と実力で跳ね飛ばしてきて、それが瓦解して、親と離別までして、どうしてその気概でいられるんだ。
君を形成する何が君をそんな素敵な性格たらしめている?1万字インタビューを読ませてくれ。Wi●k Upソロ表紙回を読ませてくれ。アナザースカイに出てくれ。頼むよ。

自分がアイナナ世界のドルオタだったとしてもTRIGGERのステージを見てしまったらきっと十担になっていたと思うけど、たぶん八乙女楽のインタビューばっかり集める十担になってたと思う。副担というか……推しているというよりは人生をトレースして浸りたい対象として。
Jオタしてるとたまにそういう存在いないか。この身とお金を捧げるのは他でもない自担だけど、それとは別に生き様をインストールしたい担当、みたいな。
自分は相葉担だったけど櫻井さんのインタビューばっかり集めてたし、丸山担だったけど大倉さんのインタビューを好んで読んでた。

八乙女楽、自分に自信があってその根拠もあって、「俺は格好いいだろ」と信じて疑わないのに、もう一度下積みすることを格好悪いと思わない。なんだよその気骨、なんなんだその出来すぎた美意識。
格好良すぎるだろ。

八乙女楽、格好良すぎるよ。

 

 

 

 

 

 

 

理想のアイドル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、アイドリッシュセブン、インストールしてよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分以外の存在からこんな言葉が聞けるなんて思わなかった。そこが肯定されるなんて思わなかった。

どれだけ傷つこうと、どれだけ読むのがしんどかろうと、このシーンだけでこの作品が素晴らしい作品だと言える。やってよかったと言える。

姉鷺カオル、今後ずーっと、あなたを信じる。

 

 

 

 

 

 

 

アイドルの終わり

 

笑っていいとも!という国民的バラエティ番組を覚えているだろうか。
その最終回で、中居くんが言ってたコメントを今でもたまに思い出す。

「バラエティの終わりは寂しいですよね。ライブツアーとかドラマとか、他のお仕事は終わりがあって、評判が良かろうが悪かろうがゴールがあります。そして終わったら必ずおめでとう!となる。でもバラエティは違う。ゴールのない中で終わらなければならないので……こんなに残酷なことがあるのかなって思います」

(うろ覚えなのでいろいろ間違ってたら申し訳ない)

バラエティもアイドルも、一度はじまったら終わることが恐ろしいことになってしまう。それでも終わってしまうんだけど。

群像劇とはいえ、物語の軸でありそうなこの二人のコンビがこういう話をしているということは、それはつまりこの物語のメインテーマなんだなと受け取った。

 

 

 

 

自分の意志でTRIGGERをしている

クールに見えて誰よりも優しくて、肝心なところで信じられないくらい口下手な天が、TRIGGERであるために九条鷹匡を説得する尊さたるや。

天が何を思ってあの日七瀬家を出て行ったのか、何を思ってアイドルになると決めたのかは、作中ではまだしっかりと描かれてないが、きっと最初はそこに仲間なんて存在はなかったように思う。

事実きっと彼には仲間は必ずしも不可欠ではなくて、一人でもアイドルとして立っていられる才を持っている。ユニットである方が選択肢は広くても、今回のようなことが起こっては彼にとって仲間はリスクでしかないのかもしれない。

でもその彼が、二人と一緒にいるために一生懸命養父を説得する姿は胸が苦しくなるような誇らしさとうれしさがあった。

天だけではなく、楽も、龍も、
父親に認めてもらいたかった場所から仲間と作り出す世界へ、
家族を養うための出稼ぎから誇れる自分になるため、それぞれ自分の運命のハンドルを切っていく。

何度でも言うが拙者「もう戻れない」という要素が大好き侍、3人が自分の運命を自分の人生に刻み込んでいく姿に胸の高鳴りが止まらなかった。

加えて、もとからストイックだからこそあまり変化がなさそうに見えて、且つ環境として最も摩擦の多い天の運命のとどめを、まさか楽が刺しにいくとは思わなかった。
いつもあんなに言い合ってるのに、九条鷹匡に「あいつの人生はお前のものじゃない、TRIGGERのものだ」って言いにいくんだ。

あんなにいがみ合ってるのに、その運命の責任、お前が持つのか。
いや別に啖呵きったからって楽が全責任を負うってことではないし、天だってそんなことこれっぽっちも望んでないと思うけど、それでも直接言いに行くって少なくとも楽本人の心の中じゃそれだけの責任を背負うつもりで行ってるってことじゃん。
すげえよ。熱いわ。
それだけ天がTRIGGERに必要で、自分に必要で、3人である必要に駆られてるってことだと受け取った。

漢気。最高。楽大好き。

 

 

 

進むためのOnly my love

※騎士とか歴史に詳しい分けではないので、個人の解釈としてふわっと読んでほしい。あとこの辺の歴史に詳しいニキネキは刺さないで。ファンタジーの話をしています。

 

一人でステージに立つ十龍之介、なんだか騎士の様な人だなと思った。
ステージを守っている。TRIGGERを守っている。

そもそもTRIGGERというグループ自体が騎士の様なキャラクター造形してるなという印象があった。グループ名とか近年の衣装とかにミリタリーさを感じるからかもしれないけど。

ソロでの願いはShine On The Seaくらいまでは、信仰心の厚い騎士みたいだと思って見ていた。
ファンへの信頼というものに対する絶対の信仰を持つ騎士団長・天と、その双璧のような。

3人とも想いや価値観はバラバラだけど信仰への気持ちは確かで、清い身で誠実でストイックに自分を高める騎士のよう。
"主に叙任された存在"という意味でも、プロダクションという大きな力に「集められた」という点では近しいものを感じた。(世襲的な血縁関係まであるし)清廉潔白、誇り高き神聖騎士団という印象だった。

事務所から独立してからの野良TRIGGER、変わらず騎士のイメージに近いが、いわゆるわかりやすい魔法ファンタジー世界の「王に仕える」騎士ではなく、中世後期あたりのリアル貴族騎士という感じがした。
貴族騎士という言葉の雰囲気からお飾りの騎士っぽさがあるが実はその逆で、中世後期あたりの騎士はまさに「自分の意志で」王を守る騎士道の原点だ。

 



 

フランス百年戦争以前の国境の明確な定めのない社会の中で、「自分は○○人だ」という国家への帰属意識のない中で、ただ己の意思でのみ、自由意志で『オレがオレでいられる』ために「この人だ」と決めた人を守る。

日本の武士システムに馴染み深い私たちからすると少しイメージがしにくいのだが、「王様が偉い」から代わりに戦うのではなく、この時代のヨーロッパ騎士たちはむしろ王様と限りなく対等な存在だ。
騎士という職業(?)はなく、貴族はもれなく全員騎士で、騎士はもれなく全員貴族。王との間に契約関係はなく、そこにはお互いの「お前を守りたい」という“意思”だけが介在している。
叙任があったとしても契約書があるわけでもない。王が不義理を働けば騎士の方から離れることも歯向かうこともできる。中央集権国家が主となる前の時代なので、王都王宮に集まってる訳でもない。本当に自由と責任、自分の意思と誇りだけで成り立っているのが当時の騎士道だったらしい。

「権力に付き従わなくていいし守られなくていい自律した力」を持ちながら、それでも自分の価値観や信念、時には恩義に従って「なんかあった時は守るよ、そして守ってくれ」という背中合わせの関係性。

事務所⇔TRIGGERの叙任から、TRIGGER⇔TRIGGERの叙任へ。

誰にも縛られない、契約もしない。自分の信念のためにTRIGGERをやってる。

 

 

TRIGGERは3人が3人、対等な関係性だ。ドメスティックで守護者庇護者のはっきりした家族愛のIDOLiSH7との対比を感じる。背中を預けあって、バランスよく立っている。
3という数字そのものも古から均衡やバランスの象徴みたいな扱いを受けてるし、三位一体ってそういうことだし、TRIGGERを3人グループにしたの誰?巧みすぎて憎らしい。

清くあろう、TRIGGERらしくあろうという気高き姿勢はもはやノブレス・オブリージュ*3そのものに見える。彼らにとって、勇敢に立つことはきっと義務なのだ。

 


逃げること、卑しくあることは、平民には許される。しかし貴族である騎士にとっては御法度中の御法度だった。騎士にとって最も重要なのは誇り、栄誉、誉れ。

騎士であり続けるならば高潔に。
TRIGGERであり続けるならば勇敢に。気高く。堂々と。
中途半端なパフォーマンスは見せられない。

一切の穢れなく誇れる自分、そして自分以上に誇れる仲間。
自分ひとりでストイックにできる騎士は、むしろ他者という存在の重要さを知っている。
「心に決めたものを守りぬく自分を誇ること」で更なるパワーが溢れてくることを知っている。自分の力で立てるはずの騎士道物語が、なぜ判子を押した様にわざわざ主人を頂き貴婦人を崇め捧げるのか。
自分以外のものに剣を捧げることが、自分の活力になり、限界を超えるパワーとなることを知っているからだ。人間とはそういうものだと知っているからだ。
一番星を見つけて見上げて、そうすることで思いもよらぬパワーが溢れ、挫けそうな時にも上を見ることができる。神話も、英雄譚も、宗教観も、アイドルもそういう心の構造のもと出来上がっている。

なぜ天が、一人で立つのではなくTRIGGER3人でやることを選んだのか。

 

そう、つまりあの夜、俺たちはTRIGGERに恋をしたってわけ………

 

すみません、上手いこと言えた気がするのでこの話題はここまでにして黙ります。

 

 

 

TRIGGER、こんなに中世ヨーロッパの騎士道を往くのに、3人とも絵に描いたような日本男児なのが好きすぎて胸が苦しい。
八乙女社長まで含めた全員が「そう来たか」「洒落てるな」と思わせる粋で侠な日本のエンターテインメントを愛していて、竹を割ったような潔さと気持ちよさがある。「俺が矢面に立つ」って本気で思ってる。全員。

そりゃ楽屋にも「冴」っていう謎の書道があるよね。納得するよ。せんわ。

 

ああまじで、めっちゃ好き、クソデカ感情ってやつが、今、ここにある。


この感想文、ここからただのTRIGGERオタクの感想シリーズになる気がします。ごめん。

 

 

 

アイドルが「本当はアイドルなんてやりたくなくて、引っ込みがつかないからやってるだけなんじゃないか」って言う気持ちが拭えないオタク、
こんなことを言われたらもう、心の全部で好きになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

3部の十龍之介

兄ちゃんに任しとけ

十さん、よく人からおせっかいって言われない?
いわゆる”面倒ごと”に自分から首突っ込んでいく姿勢、尊敬する。長男すぎて笑っちゃう。好。

全部の行動に「自分がやらなきゃ」を感じる。弟たちのお世話をしてきて、それこそが己の正義で、存在理由だったんだと思う。
自己満足とか、変な責任感とかじゃなく、「そうやって生きてきた人」みたいなトーンを感じる。壮五や環への言動に、正義意外の心の動きを感じない。
ひたすらまっすぐ、呼吸をするように、己の思う正しさを机の上に出してる気がする。

あとさ、本当によく「未成年」って表現をする。そこは少し不思議だった。
島育ちで自営業、近所付き合いの距離も近そうで都会の文化もあまり明るくない彼が、そんなに未成年を気にするだろうか?
自営業の生活の中では子供も貴重な労働力だ。中学生くらいの年齢になれば大抵大人と同じような仕事ができる。
彼は漁師の息子なので一緒に漁に出ることはできなくても、性格的にも手伝いくらいはしていただろう。

だとすると彼はきっとおそらく、未成年を庇護する存在としているのではなく、「弟みたい」な年下を1人の人間として認められないのではないだろうか。守るべき庇護対象という意味で。
心理学に詳しいわけではないので聞き齧った知識だが、きょうだいの先に生まれた人間は大抵、後から生まれたきょうだいを一生「一人の成熟した人格を持った人間」として見ることができないらしい。
そんな馬鹿な話があるか、と聞いた当時は思ったものだが、確かに中年になろうと壮年になろうと妹を猫可愛がりする兄はいるし、「あいつのことはしらねえけど、どうせふらふらしてんだろ」と仲が悪いのに知った口を聞くきょうだいもどちらも一人の大人としては認めていないのかもしれない。

十さんのこれは、それに近いのかもなと思った。
加えて島育ちの十さん、身内判定が広そう。兄弟じゃなくても、メンバーじゃなくても弟みたいな存在☺️ってしそう。(それ女の子にもやってないよね?一気に重罪だが)

長子属性として非常に包容力があり大人びているようにみえて、年下の誰に対してもそう接してしまうのは23歳としての彼の未熟さなのかもしれない。

普段はふわふわと笑って柔和なお兄さんをしているのに、信じられないくらい頑固。まじ長男。自分のものさし。ガンとして譲らない。そのギャップ馬鹿みたいに好き。ありがとう。

そのギャップで周りが困惑するのも、呆れるのも、いつもは朗らかで優しくて恩のある彼に急に突っぱねられると強く出られないのも、なんならちょっと怖いときがあるのも、全部美味しいです。ほんとありがとう。

 

1・2部感想にも書いたが、天にもその気はある。
もっとも、天が「一人の成熟した人格を持った人」としてなかなか見れないのは今のところ陸のみだけど。
陸の話になると急に「天にぃのわからずや!」になって、どれでも「陸は可愛い弟だよ」になる。うわあ、引くほどお兄ちゃん。
これもしかして今後天がその「一人の人格を持った人間として」陸を見られるようになるまでの葛藤描写きたりする?

天、十さんに掴み掛かった環くん連れ出すところまじでお兄ちゃんすぎて惚れたよ、こんなに見た目が可憐なのに、中身はしっかり芯の強い男の子でかっこいい。
でも未成年ってことはいまだに納得いってない。

 

八乙女楽、天と龍と比較して、誰のことも一人の人格者として見ることができる男。
だからこそ筋の通ってないことが許せない。天が未成年だろうと譲らない。
俺の意見は俺の意見、お前の意見はお前の意見。大事なのは筋が通ってるか、それだけ。逆ジャイアニズム
楽が一人っ子でよかった。
楽がこういう一人っ子ムーブをしてくれるから、TRIGGERは行き過ぎずにいられる場面がたくさんあるんじゃないかな。

 

 

このかっこよさを言葉にできる気がしない

月雲了と十さんが対峙するシーン、好きが詰まってた。好きが詰まりすぎて頭おかしくなるかと思った。

まず目の敵を目の前にしても冷静でいられるところが好きだ。心の中身は野生児で勝負師で戦闘民族なのに、肉食獣みたいに普段はどっしりと構えてチャカついてないところが最高にかっこいい。

で、大切な人、大切な先輩であり友人の百の話になってブチギレて語気を荒げて我を忘れて掴みかかるところ、さらに好き。普段落ち着いてる強者の男が仲間のためにものすごい剣幕になってるところ嫌いな人、いる?

 

 

極め付けはこちら

 

 

 

 

 

そんなずるいところまで持ってるんですか───?

 

 

 

頭おかしくなる。どこまで性癖をセンターに入れてスイッチしてきたら気が済むわけ。
人畜無害そうな顔してその実は天然正義漢で危うくて、

でも自分のこと客観的に見て許され騙せることを知ってる。
普段は絶対人を騙したりしないのに、大事な人を守るためなら騙せてしまう。
笑えてしまう。

 

 

十龍之介、てんこ盛りすぎるでしょ。
ひとり性癖満漢全席するのやめてくれる?

 

どこまで人を狂わせたら気が済むんだろう、ほんと、こいつ。

 

 

 

 

 

 

余談:さが【性・相】 ── 生まれつきの性質、もちまえ

オタクっぽく言うと、性癖。

人の葛藤フェチ、執着フェチ、心の闇フェチ、病みフェチ。

つなしさんが今後、アイドルとしてライトを浴びるとき、心のどこか片隅で1ミリでも罪の意識を抱えながらパフォーマンスをすると思うと、

ごめん、ものすごく興奮する。

 

その心の痒さ、どこかでじりっとした気持ちを掠めながらするパフォーマンス、
もしくはスイッチが入れば忘れてしまう心疾しさ、でも決して消えるわけではない過去の出来事。

それを抱えながら、なお完璧に甘美な表情を作って扇状的なパフォーマンスをするの、その事実こそが最高にセクシーだよな?

しかも十龍之介、そのパフォーマンスの全ては頭で考えて演出している。
「こうしたらみんなが喜ぶかな」という理性的な脳みその動きで弾き出している。
ほんの少しも自分に酔うわけではなく、恍惚に入るわけでもなく、
客席の反応を見ながら醸している。

自分自身の肉体が、一挙手一投足が、相手をよろこばせる道具でありながらまるで傍観者のようにクリアな思考で全てを掌握している。

客席と本人の温度差がたまらん。客席がヒートアップするほど本人は純粋で涼しい「よかった、みんなよろこんでくれてる」という朗らかな気持ちでいる。心の中だけ。
見た目は傾国の色男をしているというのに。

ああ、コントロールされてる俺たちオタク。弄ばれてるオタク。「こういうのかな?」「こんな感じかな?」に殴られてノックアウト。なすすべなし。五体投地、「最高にエロいです………………」合掌。
「こういうのが好きなんでしょ?」じゃないところがまたよい。挑発的ではなく、冷静な真心でものすごい大人向けなものを差し出されている。
本人としては「バスケットボールをしている」くらいの感覚なのかもしれない。その類の興奮は一切ないところが、最高に堪らない。

最高に堪らないけど、本人の自覚のない心の奥底深くで興奮してくれてたりしたら更に堪らない。
バチバチのダンスナンバーのあと、酸素の足りない頭と黄色い声援と眩しいライトと大好きなメンバーが隣にいる高揚感で無意識に気持ちよくなってくれていたりしないか。自然と目が細まって緩んだ顔で色気たっぷりのため息をついてくれないか。

「俺はいつも冷静だよ、全部作品なんだ」とか思いながらライブに脳みそを支配されていてほしい。
そういうアンコントローラブルで無自覚なところに、じめっとしたふしだらで妄りがましい魅力を感じる。

あ、でも待って、自覚しててもいい。それはそれでつなしさんらしい気もする。
「ああ俺今興奮してるんだ」って自分の中の「嘘じゃない」気持ちに触れて気持ちよくなっててくれても非常に、味わい深い。

 

ごめん私いま、すごくセンシティブな話してる^^まあライブってセンシティブな場だし^^
この辺にしときます^^

 

 

 

さらに余談

私はこういうのに興奮してしまう性質だ。
少しじめっとした心の動きとそれを抱えながらのパフォーマンスに鮮烈な色気を感じてしまう。ということに、自覚を持ってしまってから、三次元のアイドルにうまく色めき立つことができなくなってしまった。

なんと言うか、この喜びをはっきりと認知してしまうと、その感情を生きてる人間に向けることにすごく抵抗を感じるようになってしまった。

彼らの深い心の傷を消費しているような気がする。

あれだけ一緒に傷ついたというのに、そこに引っ掛けて熱中していることに言いようのない気持ち悪さを感じてしまうようになった。

それからというもの、物語を冷静に物語として楽しめるところまでコンテンツから離れるようになった。
それがドルオタの卒業時期だった。

それがどうだろう、二次元はあまり気にしなくていい!
そんな背徳的な嗜好も受け止めてくれる。自分の心が痛いことさえときには気持ちいい。
そうやって物語を咀嚼することも受容してくれるコンテンツ。あ〜、癒される。精神の安寧がすごい。

自分自身の最低な性質との対峙と、欲求を満たす最高の場所、同時に手に入れました。

 

 

 

左右の Braver

唐突にシンメの話していい?いいよ。

Jオタはシンメが大好き。例に漏れず私もシンメが大好き。
ちなみに私は語源である「シンメトリー=ダンスフォーメーションで立ち位置や振り付けが対称になる二人組」という意味でシンメという言葉を使っている。
仲良しコンビや正反対の性格の二人という意味で使われることもあると聞いたが、古のJオタなので「立ち位置シンメ」に熱烈な感情を抱いている。

これはアイドリッシュセブンではなくJの話なのだが(興味ない人は次の太字まで飛ばして)、シンメはの二人はデビュー前からセットで仕事をすることが多い。
むしろ私が追いかけていた世代はデビュー以前の関係性を指して「シンメ」と呼ぶことがほとんどだった。

シンメは、上に挙げた通りダンスのフォーメーションで対象ないしコンビを組まされる。
Jは人気や演出家(振付師)の采配によてダンスの立ち位置が前に出たり後ろに下げられたりするのだが、シンメは基本的に一緒に上げ下げされる。
立ち位置というのは結構シビアなシステムであり、人によっては非常に心を消耗する要素の一つだ。
シンメはある日突然組まされる。「君たちシンメね」と言われることもあれば、大抵の場合は「なんかいつもこいつと組まされるなー」みたいな感じでその歴史が始まる。
容姿、ダンス、キャラクター、年齢、いろんな要素で「この二人が同じ左右の立ち位置で踊れば美しい」と思われるペアが組まされる。
ダンスだけではなかった。バラエティでの受け答え、レッスン中の態度、交友関係、いろんな要素が混ざり合って偶然もしくは誰かの差配で運命共同体がスタートするのだ。

そんな感じで始まるので、シンメって別に仲良しではない。
たまたま仕事で同じになることが多いだけ。
でも同じタイミングで振り入れをしたり、相手の立ち位置を気にしたり、「あ、そんな感じで踊るならこうしよっかな」と影響を受けたり、ライバルだったり、相棒だったり、でも時に一番の理解者だったりする。昇るときも落ちる時も一緒だからね。

シンメ、いいでしょう。みんな好きでしょう。リアルアイドルのデビュー組だとこんな感じの二人が何十年と一緒にいる様をずっと楽しむことができます。

まあ、青天の霹靂で解体される物語もシンメの内なんだけど。

 


この世の中には脳みそを揺さぶってくる素晴らしいシンメがたくさん存在するんだが、
その中でも私が特に好きなのは“趣味が合わないが何故か気が合うオールフラット付かず離れずコンビ”だ。

基本的に趣味が合わない(嗜好が合わないではなくまじで娯楽アクティビティが被らないの意)から
休日にそこまで頻繁に遊びに行ったりはしない。なんなら趣味の合う友達は他のグループにいたりする。
インタビューを見るとその「他のグループの人と遊びに行った話」ばっかりトピックで出てくるんだけど、
しれっと「そういえばこの間アイツとごはん行ったときに」みたいな感じで名前が出てくる相手、それがシンメだったりすると、ほんと、あの、大好きなんですよね……。
シンメとご飯に行くことはもはや日常なのでわざわざ口に出さないくらいのやつ。

シンメの関係性を表す言葉としてよく「背中合わせ」「向かい合わせ」「横並び」というのが使われるのだが、私は割とどれも好き。
それよりも、肩肘張らずサラッと素でいられる関係性が好きだ。

「なんかアイツ最近あの辺と仲良くしてるっぽいですよね、俺はあんまりそういうのやらないんでわかんないんですけど」みたいな顔で”自分ではない趣味の合う友人たち”と交流してる相方を、別にジェラシーするわけでもなく、お互い「それがアイツの世界」って相手のソーシャルとして受け入れて、でも仕事終わりのサクめしはなんやかんや一番一緒にいく、みたいな……。

「結局すごしやすいのはこいつといるときなんですよね。長年立ち位置合わせてセットでやってきたから仕方ないのかも」みたいな……。
他の人と接してるときの顔はお互い知らないけど、真顔無言で穏やかにいられるのはお互いの前だけ、みたいな。

でも青年期を一緒に過ごしてきたからか、話が盛り上がると男子高校生に戻っちゃう。お互い一番キャラが剥がれて、真面目な話もふざけた話も等身大でできてしまう。
そんなシンメが…………

 

 

いた。

楽よ、趣味の合う友人と過ごす龍の姿は想像ができないか。そうだよな。
自分が絶対に参加しない趣味を楽しそうに遊ぶ相方は別のコミュニティの人に見えるか?

でもいつも朗らかニコニコしてる龍が、”人と過ごしてるのに”真顔で本を読むのは、お前の前だけだったりしないか。
誰の前でも全自動でお兄ちゃんキャラになる龍が、23歳の顔で世間話をするのはお前の前が一番多かったりしないか。
青年期を一緒には過ごしてないけど、二人が唐突に男子高校生になっておいかけっこする姿、あまりに容易に想像できる。実際そんなラビチャを見た。男子高校生になっちゃうコンビ本当に本当に本当に大好き。Jでもそんなコンビばっかり推してた。

天に対して「競争」と「受容」という真逆の姿勢を取ってる二人が、お互いに対して向き合ったときの姿勢を思うと夜も眠れなくなる。
憧れでもなく、敵対でもなく、同質化でもなく、差別化でもない。その明文化できない信頼関係が好きだ。
パフォーマンス中、視界の端や視界の外で相手の立ち位置を感じて合わせたり、ときにわがままに合わせてもらったり、「きっとあいつはこうするから俺はこう」がだんだん自分自身の個性になってきたり。
パフォーマンス中に言葉なしで意思の疎通をはかってきたシンメが好きだ。
かと思えば一番フラットな相手として真面目な話も心底ふざけた話もできる。言葉でのコミュニケーションが取れるシンメが好きだ。


今生でシンメに特別な感情を抱くことなんてもう無いと思ってたのに、まさかこんな形で、違う次元で出会うことになるとは思わなかった。

 

自分がこんなにシンメに熱を上げてるの、Jオタの文脈意外にも理由がある。
普段いる二次元ジャンルの影響で、祭るべき中心の人物を守護する双璧という構図に肚の底から沸き立ってしまう。赤と緑の騎士ではなくグレーとブルーの騎士だけど。
だからTRIGGERの3人が兵士っぽい軍人っぽい格好をしてると超興奮する。
TRIGGERはそういう衣装が多くて本当に最高。本当にありがとう。本当に性癖。
だが首元の開いてる衣装は気になって仕方がない。見た目としては好きだけどソワソワしてしまう。気をつけて、そこは人間の急所だよ。

 

 

 

 

森羅万象に神

十さんが八百万の神を信じてるところ、めちゃくちゃいい。
縋る神ではなく畏れる神。
どれだけ準備をしても気まぐれに天候を変えてくる未知なる存在に想いを馳せて、少しの諦観達観と覚悟を常に持ってる感じ。
「自分にはどうしようもないこともある」という俯瞰した強さを持ちながら「でもできることをする、しなければ立ち向かえない」という裸一貫の男らしさを感じる。

身体も器も大きな男性が、自分よりずっと大きな存在を思って質量のない虚空を想っている。バチが当たるとか、縁起が悪いとか、日頃の行いとか、そういう星のもとに生まれてるとか言いそうで好きだ。

神様に願うって、言葉尻だけ拾うと人間の弱い側面のように思えてもおかしくないのに、その主語がつなしさんだと思うと急に力強さに変わるのはなぜだろう。
許す/許さないのジャッジを繰り返す彼が、同じく許す/許さないのメッセージに使われる神様を思うこの構造の複雑さはなんだろう。
自分の中に確かな芯があって、どっしりしっかり頑固に構えてる男が、急に科学的な理論の外にある神様の存在に思考が飛躍することの、この変な気持ちよさはなんなんだろう。

 

十さん、どうしてあなたは神様に想いを馳せているだけでセクシーなんだ?
セクシーキャラはアイドル戦略のための作られたキャラクターだったはずだろ。
なのにどうして……どうして素でこんなに色っぽいんだ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ŹOOĻの話

しようか。

 

 

 

 

 

何を書いたらいいかわからん

 

 

十さんと御堂さんが邂逅した。

 

御堂さん、16人の中で見た目が一番好きだ。

ムビナナでもかなり気になっていた。とにかく見た目が好きだから。
MCを聞く限りも結構好きなキャラをしてそう。
闇を抱えた軟派なキャラが好きで、二次元の長身軟派キャラは大抵闇持ちなので。
本能が「たぶんこいつのこと好きだな」と思っていた。
まあ初見はトウマさんに釘付けだったわけなんだが…

この二人絡みあるのか、うれしいな。
長身で男らしい見た目のキャラクター大好きだからな。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

は?

 

 

ちょっと待て、ヒールなのかよ。
は?ムビナナ出てたよな?おい、ŹOOĻ全員ヒールかよ。
え、この4人がŹOOĻだよな?

待て待て待て、TRIGGER凋落させんの、よりによってŹOOĻかよ

 

 

 

ムビナナでTRIGGERとŹOOĻを推す♡とか呑気に言ってたやつ誰だ?俺だよ。

 

まじで何この展開。予想外すぎる展開なんだけど。
TRIGGERに胸痛めるのと同じくらい「ŹOOĻ、この後どうするんだ?」っていうハラハラが生まれてしまう。
これ、どう落とし前つけるんだ?どうしていくんだ?ここまで憎まれるようなエピソード差し込んで、どうやってあのムビナナに持っていくんだよ……

読み進めても3部の中には大した救済措置はなかった。
ガッツリ悪事に加担してた。動機は結構しっかりしてそうだけど、あまりにしっかりと悪役している。
勧善懲悪クールジャパンで育ってきた自分には、ここまでしっかりアクションしてしまっている彼らをいい感じに「こっち側」にするには犯した罪の2倍くらいの苦しみ味合わないと無理じゃないか?という思考でぐるぐるしていた。

いやでも、だからって少しもŹOOĻに酷い目にあってほしいとは思わないじゃん。好きなアイドルなんだから。
でもそうでもしないと物語的に主人公側のラインに乗ってこないよね?心から「このキャラクター好きです!」って言えないよね?
あんなにムビナナで対等な16人のメンバーになれないよね?

なに、これどう受け取ったらいい?

 

 

だからアイドルは公式情報以外いらねえって言ってんだよ。

はあ、すみません、取り乱しました。
自分の意志でスマホを手にとって読んでるので大丈夫です。思わず出てしまっただけです…………。

ステージの上でキラキラと輝く大好きなアイドルが、普通に良い感情も負の感情も持っている。自分がどうしても許すことができないことをしている世界線は、絶対にある。
その事実目の前にしたとき、自分の心を使ってた期間が一気に悲しいものになってしまう。自分の人生の中で一番好きだった時間が、容易く意味も形も変わってしまう。簡単に変わってしまうものとしては、あまりに私はアイドルを応援する人生が好きすぎる。

だから保身のために心に決めている。私が推してるのは東京都在住20代男性の人間じゃなくて、アイドルなんだ。メディアでいいんだ、作られた情報たちから人間像を想像して、偶像をちゅるちゅると吸うだけでいいんだ。これは自分のためのポリシーだ。
だから公式情報以外はシャットアウトするんだ。

 

だからアイドルの裏側は苦手なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

狗丸トウマよ、

ステージのことを真っ直ぐ直球で好きなアイドルが好きだ。

歌うことが大好きで、歌しか要らなくて、歌うことに命かけてるアイドルのことが好きだ。
そういうアイドル、いつも担当にはできないけど、いつも特別な気持ちを持っていた。担当なのかってくらい好きなときもあった。ライブで「このままぶっ倒れるんじゃないか」って勢いで歌う姿を見て胸が張り裂けそうな時もあった。
双眼鏡で自担ロックオンタイプの自分が、「この人が歌う姿を"今"目に焼き付けなければ」と肉眼を凝らしていたことがあった。

なんで担当にできないかって、みんなアイドルをやめてしまいそうな不安定さがあったから。歌が好きなんだもん。アイドルじゃなくていいんだよね。

 

狗丸トウマ、一回アイドルやめて戻って来たんだって。

人気あったのに、TRIGGERに勝てなくて解散したんだって。

で、ŹOOĻとして戻ってきたんだって。

 

私がアイナナ世界のオタクだったら、ステージに戻ってきたトウマを見てたぶんもう一生トウマのオタクじゃなかった世界に戻れなくなってると思う。

NO_MADがどんな解散の仕方をしたかしらないけど、トウマがどんなコメントを残して一度メディアから消えたのかわからないけど、
大きなプロダクションから、またステージに立ってマイクに向かって歌う姿を見たら、たぶん絶対にもう狗丸トウマのいない生活に戻れないと思う。

NO_MADがどんなグループだったか知らないけど、犬みたいな笑顔で歌ってたトウマがフード被ってギャングみたいな風体して「え、トウマそういうのが好きだった感じ?」って思うかもしれないけど。あの頃のまま、マイク食べちゃいそうなくらい大きな口開けて歌うあの歌声を聴いたら「やっぱりトウマだわ……」ってなってもう何も考えずCD買ってると思う。

再デビューが大きなプロダクションというのがいい。
「ああやっぱりトウマはたくさんのファンの前で歌いたいんだな」って思わせられるのがめちゃくちゃ、いい。
自分にとって理想的な「アイドルをやめないアイドル」すぎる。
キャラ変してもそこにいたいんだねと思う。メンバーが変わってもそこにいたいんだねと思う。

 

突然だけど、小説の一節を3つ見てほしい。
全て同じ「閃光スクランブル」という加藤シゲアキの著作からの引用だ。
まあまあ、興味がなくても一旦目を通してみてくれ。

アイドルにとっての”ライブ”と言う景色がどんなもんなのか、その片鱗が見えるので。

初めてのライブは圧巻だった。あのとき夢見た星が眼下にいくつも輝いていた。これがいつまでも続けばいいと思った。未来は確約されていて、それは絶対に素晴らしいものだと信じていた。

それでも、欲望はいつしか肥大する。もっとたくさんの星が見たい、自分もより輝く星になりたい。もっともっと人気者になりたい。

瞳に飛び込んできたのは、まるで数えきれない星が辺り一面に敷き詰められたような景色だった。観客がいっせいにペンライトを点けたのだ。カラフルで目映い光が亜希子の周囲を取り囲んでいた。

「おかしな話だな。応援してる奴のせいで狂うなんて」
「そういう世界です。そこで生きられるのはよっぽどの天才か、鈍感な人間だけなんです」
===中略===
「やめればよかったのに」
「誰だってやめられませんよ、ステージからの景色を見たら」

 

現役のアイドル兼小説家が描くステージから見た景色の描写だ。
勝手に自分の心の栞をはさんでいる。(素敵な本だから、気になったら読んでみてね)

我々ファンが絶対に見ることができなくて、でも我々ファンが一番この力を信じている。「ライブが楽しい」「ライブが好き」というアイドルのために、来る現場来る現場でペンライトを振る。

 

 



狗丸トウマ、なんでそこにいるわけ?

徹頭徹尾いいやつそうなキャラ造形で悪役側にいるんじゃねえよ。

 

 

トウマに関して、完全にリアルアイドルと同じ感情を抱いてしまった。
つまりどういうことかというと、キャラクターとして消費できなくなってしまった。
歌い踊る姿を見てると自分の古傷が痒くなって癒やされていく感じがする。
ZONE OF OVERLAPの「求めてんだ human nature」の腰ダンスで黄色い悲鳴を上げられなくなってしまった。「エロい〜!かっこいい〜!」ではなく、「ああ、惜しげもなくオタクが喜ぶパフォーマンスをしてくれて、ありがとう……」と胸が詰まる思いがします。Jの現場に入ってた頃と同じ気持ちだ。
脳みそが生きてる人間だと思ってしまってるので、性的な目で見られなくなってしまった。性的な目って響きやばくない?

 

 

まじかー……
これ、TRIGGERの仇かあ。

 

 

まじかあ〜……

 

 

ŹOOĻ、一人一人の印象については拮抗のクオーターと4部の感想の時に書くことにする。
3部時点ではなんかもう言葉にするのも割と避けたい感じだった。
顛末見てからじゃないとコメントしづらすぎるでしょ。

 

 

 

 

余談

今までもずっと妄想まがいの感想なんだけど、このパートは更に完全に妄想なので苦手な人は読み飛ばしてほしい。

 

 

狗丸トウマ、ムビナナのパフォーマンスを見る限り本当にステージを愛してファンを愛してるように見える。
少しも照れがなく、軽く流してるところがなく、キャラを作らず可愛こぶらず、自分の素のままの生身で、出来うる最高のパフォーマンスをしてる。ように見える。
アイドルっていうか、ステージを何よりも愛してるパフォーマーみたいな身の振り方をする。

でも溢れてる人間性はファンを心から愛してるアイドルそのもので、客席への誠実感がビシビシ肌に伝わってくる。

その二つを両立してる人に私は出会ったことがなかった。脳みそがこんがらがる。

狗丸トウマ、アイドルでいいのか。キミはアイドルでいいのか。
歌を歌うことだけに時間を捧げなくてもいい?

セリフを覚えるお芝居の仕事は煩わしくない?バラエティは嫌じゃない?自分の見た目に声援を送られるのは?

3部で狗丸トウマに会ってから見るムビナナで、ZONE OF OVERLAPの「どんな傷でも必要だって思えるように」のパートを歌う姿を見て、ライブでクソ長シャウトしてそのままぶちっと糸が切れたようにステージの上にぶっ倒れるトウマの姿を幻視してしまった。

ステージの上が本当の生き場所で、ステージの上だけで痛烈に昂るトウマを夢見てしまった。

あくまで個人的なイメージで、何のソースもないしほぼ二次創作みたいな妄想だ。
でもそんな彼が「メンバーを大切にしたい」と想って、『自分の意思で』アイドルをしてることが、本当に、「欲しかったけど手に入らなかったアイドル」すぎて眩暈がする。

 

 

 

vs IDOLiSH7

アイナナの冠にŹOOĻが来たシーン含め、対ŹOOĻ用特攻兵器(というか御堂虎雄用特攻兵器)逢坂壮五めっちゃ好き。
環くんが「なんか知らねえ人みたい」って言ってる顔の壮五がめっちゃ好きだよお姉さんは…ごめんけどもうちょっと見せて……。

「一度頭を下げた相手を忘れませんから^^」とか「逢坂の一族の結束は強い」とか、強キャラ感満載で非常に美味しい。

 

vs TRIGGER

3部、軽くメモとりながら読んでたんだが、ŹOOĻとTRIGGERが事件後の局の廊下ですれ違うシーンのメモにこれだけ書いてあった。

 

・レスバ最強TRIGGER

 

草。

ぼこぼこにされるŹOOĻちょっと可哀想だったしTRIGGERはなんでそんなに口喧嘩強いんだよ。

でもこのシーン、十さんだけレスバしてないなあと思っていた。十さんだけレスバしてない理由は4部で明らかになるので、その疑問は正しい。

 

 

vs Re:vale

今をときめくヤンチャボーイズŹOOĻも、圧倒的業経験値の前では敗北する。
Re:vale兄貴まじかっこいい。

アイドルの膝にペン突き刺して炎上しない百ちゃんはどうやって好感度コントロールしてるの?絶対夜の六本木で目撃情報あるタイプなのに、どうやってんのまじ。
百ちゃん、相変わらずアイドルレベルが一人だけ段違いでこわいよかっこいいよ…

 

千、お前が本気出したら世界を獲れる。一緒に目指さないか、世界。

 

vs メンバー

だからお前は、なんでそっち側にいるんだよ。

 

狗丸トウマ、メンバーのこと大切にしたいの?
ねえなんで?どうして?ブログ書いてるなら読むよ、月額払うよ、見せてくれよ。
どうしてそんなにメンバーに対して並々ならぬ想いを抱いてんだよ。
頼む、教えてくれ、頼むよ……………。

 

狗丸トウマが好きなこと、めちゃくちゃ苦しい。

 

 

 

 

 

 

はあ、可愛い十さんでも見て落ち着こ。

 

 

めっちゃ好〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 


Re:vale兄貴

 

 

 

太陽のEsperanza

 

り、り、Re:valeの兄貴〜〜〜〜〜〜( ;  ; )( ;  ; )

 

TRIGGERバックダンサーに仕込むのあまりにかっこよすぎでしょ。
日本で一番かっこいいアーティストじゃん。マジでかっこいい。すごい。

ねえ、Re:valeっていつもこんな感じなの?
いつもこんなとっぴなことしてくれるの?
ってアイナナ世界のRe:vale担に聞いてみたくなる。

アイナナ世界のRe:vale担、超肝座ってそう。
2部の旧Re:vale騒動の時は「Re:vale担……強く生きて……」って思ってたけど、これはたぶん言われなくても強く生きてるわ。
最強に担タレ*4しててほしい。

 

Re:valeベランダ事件

Re:valeさ、なんか常に劇場版してない?

Re:memberの話といい、ベランダ事件といい、太陽のEsperanzaといい、月雲了との因縁といい、ちょっと全部振りかぶりが大きいと思わない?

そして愛が情熱的でまた劇場版なんだよ、愛憎渦巻くってこういうことをいうんだねっていうのを見せてもらいました。

これがかの有名なベランダ事件かあ…………

 

 

 

 

 

 

 

結局、本音なんて到底わからない

MOP

IDOLiSH7が負けるパターンもあるんだ。
3部は本当にTRIGGERの章だったんだな。

 

あーTRIGGERの表題章のテーマが、これ、なんだね…………。
…………つらい道を選んでしまった感じがあるが。そこんとこどう思う?

 

正直、生粋のJオタなのであんまり賞レースの勝ち負けが得意ではない、自ユニが勝っても負けても居心地が悪い。

ただでさえストレス食べさせられてるアイドルに、勝ち負けっていう負荷かけたくない。まだそこにドラマチックさを見出せてない。

 

 

 

綺麗に見えて、ひたすらにリアルで残酷なところに落ちる章だった。

「二度と泣かせない」「二度と悲しい想いをさせない」
割と聞いてきた言葉だ。何度も。
何も考えず、額面通りに受け取れるような言葉ではなかった。
たぶん私たちファンが言う「一生好き」みたいな言葉なんだと思ってる。

その気持ちの大きさは、真剣さは嘘ではないってわかってるけど「いつかはなくなる」と思っていた方が安心感がある。
作中のTRIGGERが本気で醒めない夢を約束しようとしていることはわかっていても、ファンにはその真意はわからない。この言葉でアイナナ世界のTRIGGER担にはどこまで伝わるんだろう。

 

ゴシップが出たとき、天が何度も「ファンは迷ってるんだ、僕たちを応援していいのか、信じて良いのか」「ファンに僕たちを応援していたことを後悔させたくない」みたいなことを言っていた。
天、好きだなあと思った。そう言ってくれるアイドル、信頼しかないな。
でも結局ファンには多くを語らない。TRIGGERは言い訳しない人たちなので。

……そんなところまでリアルにしなくてよくない?

アイドルって、本当にこういうとき多くを語らないんだよ。リアルアイドルも。
こんなに日々私たちに心と言葉を割いてくれてるのに、そういうときは絶対に、何も言わない。それが正解だから。

ねえ、アイドリッシュセブンはフィクションなんだからさ「ファンに全部伝えて、不思議な力で永遠にアイドルやりましたー!〜𝐇𝐚𝐩𝐩𝐲 𝐄𝐍𝐃〜」でよくない?

よくないね。いつか終わりがあるかもしれなくて、「今しかない」というテーマを主題に置いてるからアイドリッシュセブンはいいコンテンツなんだもんね。

最高の名曲Pieces of The worldでも"僕らはひとときに過ぎない存在 でも"ってうたってるからね。(ここのパートで比較的長い距離移動してるつなしさん、ファンサしながら移動しててまじでかっこよくて好き)

 

 

すごい切ないテーマで描いてくれてるけど、これ今後の展開どうなるんだろう。

 

4部以降のTRIGGERの心理描写が怖い、怖いけど読みたくもある。
直接書いてくれなくてもいい、推察させてくれるだけでもいい。
でもどうか、どうか丁寧に描いてくれ頼む。

なぜTRIGGERがこの物語の中で土をつけられる存在だったのか、
絶望と再生の役割を担う存在だったのか、
それは全てこれ以降のTRIGGERのストーリーにかかってると思うから。

 

 

 

 

その他いろいろ

こういうのは泣けちゃうんだよな

TRIGGERのターンは防衛本能でメタ思考が働いちゃって泣けないのに、アイドリッシュセブンの話は泣けるんだよな。

壮五の音楽関連の話、なぜこんなに泣ける。
環に「作曲がしてみたい」と打ち明けるところ、なぜかわからないけどものすごく泣けた。
MEZZO"のエピソードに涙腺弱いな、自分……。

 

 

 

訴求力

 

なるほど、アイドリッシュセブン、はじまったな(n回目)

この二人、危なっかしくてしょうがないんだけど、このまま二人で落ちていったりしない?大丈夫?アイナナはお兄ちゃんがたくさんいるから大丈夫かな。

ちなみに、自分の好みとしては一織だけ落ちていってほしいんだけど…そこんとこどう?

 

 

アイドリッシュセブンというストーリー

ステージから降りられない一番星

アイドルを推すことと信仰は似ている。

オカルティックな話をしたいわけではない。
もう少し根本の、「人が何かを信じるとき」という話だ。

憧れという感情は人を強くする。憧れが強くなれば崇拝となり、ルールが伴えば信仰となる。
強く信じる対象は私たちに「行動する意味」をくれる。

人は理由とか信じるものがあるときに本来の力が発揮されるんだって。だからどんな文明にも神話があるし物語があるらしい。

私が見上げるのはアイドルだった。
一番星を信じてまた明日も頑張れる。
もう昔のことだが、アイドル好きが高じて進路を決めたし、アイドル好きが高じて自分の将来やりたいことを見つけた。

ありがとう一番星、一生手の届かないところで輝いていてくれ。

でもアイドルは手が届くし生きてた。
東京都在住20代男性は存在して、寝て起きて食べて悩んでいる。

アイドルの人間味に喜びながら、実際はアイドルに生きててほしくないと思ってたとき、
同じ人間でいてほしくないと考えてることに気がついたとき、私は普通に自分が嫌な人間だなと強く思った。

 

「アイドルを苦しめるのは、いつだって、好きの感情なんだよ」に引き続き、百がこういうセリフを言うのは彼が元々アイドルのファン側だったからこそなのかな。

銀紙くっつけて頑張ってる。スターじゃない。
でも必死にスターに見えるように頑張ってる。がっかりされたくないから。

 

きっつー…

 

まじでずっと、自分の罪を突きつけられてるみたいなストーリー。
私が15年間言語化せずに暗黙知にしていたことを綺麗に物語にパッケージしてお皿に出してくる。

アイドリッシュセブン、アイドル一人一人がまるで生きてるみたいな描写をしてきて、且つ、こんな心のやらかい場所をざくざくしてくる。

血みどろ超依存境界性皆無モンスターオタクでも製造したいんか?

 

 

自分の身体を失うみたいに、その歌が聴けなくなるのが切ないんだ

 

このセリフ、刺さった人100万人いるでしょ。

アイドリッシュセブン、何気ないシーンの何気ない会話の中で急に心臓刺してくる。

ティーンの時に聞いてた曲を聞くと当時の甘酸っぱい気持ちが蘇ってくるみたいに、就活の時に聞いてた曲がしばらく聴けなくなるみたいに、好きな人の着信にしてた曲を聴くと胸が高鳴ったりするみたいに、自分の物語がその歌にある。あるよね。マジであるあるだと思う。

アイドルがアイドルじゃなくなるとき何が悲しいって、もう大好きなあの曲のステージが見れないのが一番悲しい。
二度とメンバーと絡みが見れないのも悲しい。会いにいけないのも悲しい。
でもメンバーとの絡みはアイドルじゃなくなってからも意外と見れることがあるし、芸能活動さえしてくれていれば会いにはいける。
でも、あの頃の歌は歌えない。自分の中で輝いてた大好きな曲はもう二度とあの歌声で聴けない。大好きなダンスはもう二度と見れない。それに胸を引き裂かれる想いがある。

私はもう一度、ロマネが聞きたい、ヘブンリーが聞きたい、愛言葉が聞きたい、フルスイングが聞きたい、あの日のU R not aloneが、west sideが聞きたいよ。

新録じゃなくて、あの時のまま、聞きたい。

 

 

改めて感じる、ムビナナのミステリー
そういう意味でも、十さんとトウマさんはあまり不安定さを感じなくて推せる。
次元が変わってもこの嗅覚が当たっているのかどうかは今週末のお楽しみ。
(ムビナナ初見感想抜粋)

当たってたよ、よかったね。
結果的にどちらも「絶対にステージに戻ってくるアイドル」だった。

これ、自分の嗅覚というよりムビナナの表現力とキャラ造形が信じられないくらい高次元みたいな話なんじゃないか。
まあ6部まで読んでないのでまだわかんないけどさ。
仮に推しがこのまま安心して推せる推しだったとして、支払った心の代償もまあまあ大きいよ。

 

 

アイドリッシュセブン、何がなんでも己の人生に欠かせない一大コンテンツにしてやるからな。絶対にしてやる。
こんなに情緒かき混ぜてきて、ただのいちコンテンツで終わらせるなんて死んでもしてやんねえ。

終わらないアイドルが理想のアイドルだと言い切ってくれるアイドリッシュセブンが好きで、
大切にしまってた心の傷を美しいエンタメに昇華してしまうアイドリッシュセブンがめっちゃくちゃ、憎い。

 

 

おわりに

本当はもっと書きたいことがいっぱいあった。
Friends Dayのこととか、MEZZO"の「君の代わりに僕が怒るよ」とか、
ゲームで出会う若かりし旧Re:valeとか、
万理が音晴に「優しい君が得意としてた仕事だよ」っていうシーンとか、
千の言う「君の情熱は君を不幸にする」とか
TRIGGERの同居とか
SECRET NIGHTのこととか
桜春樹とかいうこれまた突き抜けて自分好みそうな男のこととか。

全然書ききれなかったんだけど、現時点でボリュームがやばいのでこの辺にしとくわ。

 

前後編とかに分ければよかった。書ききれなかったところはTwitter(X)とかに流すかな。

 

 

ちなみに、これだけ長々と3部感想書いておいてなんだけど、
個人的には4部のほうがキツかった。

▼4部履修中のツイート

 

3部だけはしっかり書かなきゃという謎の使命感で書き切ったけど、4部からの感想はもっとライトにする予定です。よかったら読んでね。
すっかり月間連載なのでペース上げたい。

 

とりあえず、バケモンユニットTRIGGER、4部以降も己の人生にしっかり刻み込むわ。

 





 

 

 

 

 

 

 

 

以上、

 

アイドリッシュセブンとドルオタと、心の分離と理想のアイドル

 

 

 

 

 

 

 

副題:ステージと星、アイドルの本音、まじめっちゃキツいわこの物語

 

 

 

 

 

 

*1:尊先…尊敬している先輩の略:J用語

*2:二次元の二次創作なら見るのは好き、自分の発言は基本的にA+B、ナマモノは完全にCP思想なし(自己紹介)(一応ね)

*3:ノブレス・オブリージュ…身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならぬ」の意。

*4:担タレ…担当しているとファンがどんどんそのタレントに似ていくこと